Mayhemインタビュー
--With Blasphemer (Guitar)--

20年以上経っても、恐るべきMayhemはなお健在であり、それを喜んでいる。醜さの中から毅然として世界を凝視する悪魔のようだ。 この、相当数の嵐を乗り越えた、すさまじい怪物は今、Chimeraと共に復活する。素のままのブラックメタルの野性っぽさ、鋭さという面を取り戻した、原点に返ったアルバムだ。 この苦難の供物の唯一の作曲者であるBlasphemerは、人生の、あるいは死の一片を生んだ、混沌とした道のりを赤裸々に語ってくれた。独白だ。

主題の核心に入る前に、Mayhemの過去について振り返りたいんだけど。バンドをただ一つの方向、つまり墓へと導いた3年間について・・・。
--Mayhemは2001年のちょっとの間、もう存在していなかったね。ただ単にお互い我慢出来なかったんだ。バンド内での偽善、裏切り、非難がたくさんあったな・・・。で、何年かたって、俺は自分を見失ってた、というのもあの頃、俺はきついドラッグに完全に依存していたから。 バンドの他のメンバーも同じようにそれぞれ違う困難に苦しんでた。そして、突然俺は目が醒めて、事態は俺の中で別次元に向かって動き始めたんだ。 俺や、他のメンバーもちょっと正気に戻ることができて、バンドの心をまた取り戻すことができた。 Chimeraの製作時にマジでやばかったのは、俺に課せられた締め切りで、これは常に喉元にナイフを突きつけられているような感じだったな。かなりのストレスだった・・・。 でも11月の終わりには絶対に仕上げなきゃならなかった。これは俺が自分で決めた期限だけど、なんとか達成することができた。 俺自身と、薬物中毒への最初の勝利ってわけだ・・・。ドラッグを使わないようにできる限りのことはして、オスロのボロアパートに引きこもった。 かつて無いほどに妄想症が起きて、まだ始まっても無いことを終わらせようとしたんだ。この「クソ」アルバムの作曲、俺の中の幻影を追っ払うこと・・・。 で、11月になった時に、まだ終わってなかったんだ。意思と知識のおかげ、いやもしかしたら住むところがなくなっちまったせいかも知れんが、このアルバムにはぴったりなヤツを作ることができたようだ。

Chimeraの曲は所々で、プログレ的な軽い面も残しているけど、Grand Declaration of Warよりは野蛮で、直接的だね・・・。この未加工で飾り無しの音は、何か特別なバンドの精神状態を表したりとかしているの?
--まさにね! 今このアルバムを聞くと、周りを渦巻いていたトラブルが目に浮かぶよ。あと、できることならちょっとやり直したい部分もあるんだけど、もう遅すぎるな。 Chimeraを聞くと、いくらかヤバい状態の時に作った部分を思い出すな。ゴーストが俺をずっと見ていて、俺を汚いボロアパートから出そうとしてた。 だからそうだな、Chimeraは特別な精神状態を体現しているとは言えるな。激動とかヤク中毒、疲れた精神の、一種の地獄めぐりかな・・・。 これは歌詞にも関係していて、今回のテーマは究極の人間不信だ。俺たちは問題提起はしない。すでにその段階は超えているからな。 Chimeraでは、ただ単に「お前らの知っていることはゼロに等しい」ということを断言しているだけだ。 これは何らかの方法で、生命の大切さを再転写するんだ。
何回か悲劇が録音に影響したけど、その一つはBlasphemerっつうんだ。

曲自体はおそらく、Grand Declaration of Warを生み出した本質に根付いているみたいだけど、今回はより高い位置にあるというか・・・。
--俺の考えだと、このアルバムでは雰囲気はずっとずっと暗くて、内容はかなり厭世的(えんせいてき)で病的だね。 そして今回は、100%メタルだ。作曲に関しては、もう一つ違いがある。(今回の)曲はGrand Declaration of Warのように複雑ではないし、アルバム中の全曲が反復式に演奏されることだ。 最低でも俺の中ではね。これは作曲に「オールドスクール」側面を与えていると思う。多様性と実験が合言葉の今回はGrand Declaration of Warとは逆に、雰囲気に重きを置いたんだ。

君の考えでは、確実に新曲は今まで作ってきた中で一番実直であると・・・。
--曲は、まったくの底辺から来たよ、薬物使用でやばかった心の深海からね。今でも、あんな短期間でよくこんなやつを生み出せたなってびっくりしてる。 信じほしいが、あれはかなり難産だったんだ。何日か録音作業で徹夜した後、スタジオでの最後に、技師と殴りあうところだった。 やつが書類なんかを録音室中にばら撒いて、俺は獲物を見つけた殺人鬼みたいに叫びまわってた。全部俺が決めた短すぎる期間のせいなんだけど。 このアルバムは結構内向的だと思う。畏れや、恨み、憂鬱、悲しみみたいな感情に至る、内なる旅に似ているな。 Chimieraはそれから、死と再生みたいな哲学的な接近もしている。

どういう風に、この憎悪と厭世の新章は作曲されたの?
--「My Death」みたいな歌はリハーサル室で、俺たちそれぞれの意見をもとに、即興で書かれたんだ。 暗くて、同時に憂鬱、それにデスメタルの「ノリ」もあってマジでいいと思う。 Chimeraのそのほかの曲は俺がパソコンで作った。最初にタイトルの基礎、なんだったら心でもいいけど、を作って、それで残りは、子供が大人になるみたいに、勝手にできてきたね。 でも、曲作りは普通のやり方で、Grand Declaration of Warよりもずっと単純だった。俺はこのアルバムが、冷たい臨床的特徴で異質だった前作よりも活き活きと響いて欲しかったんだ。

アルバムタイトルに二つの別な意味があることについて、読者に説明して欲しいんだけど・・・。
--第一は生物を参考にしていて、3つの別々な動物の要素、つまりライオンの頭と、蛇の尻尾、山羊の角の、あの古い神話上の生き物だな。 この生き物には、物理的な意味合いがあって、第二の、今度は精神的な次元も加わってるんだ。 メッセージはこうだ「外側に見える全てのものは内面的なものと一致しない。」  Chimeraっていうのは謎めいたタイトルで俺はかなり評価している。Maniacがこの呼び方を考えたんだ。余談だけど、あいつは3年ちょっとくらい前にこの詩を書いたんだ。

君個人の出来事みたいに、Chimeraの録音は、別々な場所で、かなりめちゃくちゃな方法で行われたよね・・・。
--ドラムはオスロのFagerbrogスタジオで録音されたんだけど、ギターパートはひと気もない人知れないノルウェーの森ん中でやったんだ。 技師が、俺らが二週間借りたその別荘を知っていたんだ。そこに移動用スタジオと20リットルの自家製の酒を持ち込んで、戦いが始まったんだ。 話し相手として、サウンドエンジニアのBorgeただ一人と、2週間完全な自給自足での生活だった。 素晴らしい経験だったよ。ギターを録音してた部屋からは、でっかいフィヨルドっつう最高の眺めがあって、深い静寂に包まれていた。 全て完璧でありながらも奇妙だった。というのも、曲自体あの(ボロアパートの)暗くて鬱な環境で作られたわけだから、録音を始めた時に、周りの全てのものに調和の匂いがしたからだ。 外界から切り離されて、療養向けのあの場所と、一種の類似があったんだ。素晴らしい展望、月の静けさ、森や波なんかは、オスロのボロアパートに蔓延していたドラッグ、パラノイア、腐敗とは全く逆のものだ。
ボーカルとベースはTop Roomスタジオ、つまりGrand Declaration of Warをやった場所で録音されたんだ。 俺がプロデューサーの役を負ったんだけど、俺が全部作曲したんだからそりゃあ当たり前だな。というか、俺が1997年のWolf's lair AbyssからMayhemの唯一の作曲者だけど。

Mayhemはもうすぐ6週間以上におよぶツアーでヨーロッパを席巻するわけだけど、それを残すためにDVDを作ったりとかするの?
--うん、Mayhemの歴史の中でかつてない、最も大事なツアーを始めようとしているわけだ。この大航海を生き残ることができたら、凄くないか!? Necrobutcherと俺がビデオ製作の計画を立ててるよ。もしかしたら、いろんな想像もできないような状況、つまりステージ上だけでなくバックステージも、を撮れるように、カメラマンを一人連れて行くかもしれない。 おもしろいことになるだろうな。ツアーで見れるステージ、ホントにみんな認めてくれると思う。激しくて退廃的なショーをやるつもりだけど、豚の頭はなくなるよ。俺たちは誇りを持ってヨーロッパを襲ってやるよ。

最近、リスボンに住むために母国の首都を出るって決めたみたいだね。この移住の動機について少し聞きたいね。
--ドラッグ関係の失敗の後、祖国を出る、そして他に移る、もう何もいいこと、例えば精神的充足やインスピレーションなど無いオスロは出る時だ、という結論に至ったんだ。 Chimeraはだから、この三年間の、俺の存在の音の集大成以上でも以下でもない。だからリスボンが俺に与えることができるものを待つだけだ。

Interviewed by LaurentMichelland in Metallian Magazine
Translated by yu-ki

名盤集:Mayhem

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